サバンナの光と液/渡辺八畳@祝儀敷
 
はライオンもカバもめいめいに動き回っていたけれど
日が終わるころにはどの動物もその場に立ち止まって
サバンナの荒い木のよう体を溶かし液体に変わって流れていく
とくとくとリズムよくすがすがしい液体翡翠
傾いた太陽からの光がそれを通過して刺さるのも気持ちがいい

目の前にアカシアの木はなく
滑るように心地よく地平線が伸びていてもはや快感そのものだ
上から流れ落ちる液体の中で私は潤っている
たぶんこれはハイエナだった液だ、なめらかに私の縁を流れていき
私が立つ、少し粘りのある緑色な液体が垂れていくこの大地も潤っている
今日はもう白く焼けきった、カラカラな草も潤ってきれい
透きとおる液体に包まれて私もやわらかくなっていく
この中から見る沈みかけた太陽は宝石のようですごくきれい
美しい、美しい、なにもかもが美しくてきれい

太陽が昇れば動物は動き出して
一日がまた始まるのだ
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