口先だけじゃどうにもならないよ、きみ/ホロウ・シカエルボク
 

それに正解があるなら
少なくとも俺ははじめから手を付けない
大河の流れをあちこちですくって
水の味を記していくようなものだから

知っていることなんか放っておくべき
知らないことに手を伸ばして
それがどんな感触なのかを確かめる
それは身体に残るときと残らない時がある
それは決して自分では選択することが出来ない
川底の砂のように
残るものは残り残れないものは流れていく

「もう七月ですよ、早いですね」なんて
当たり障りのないことを言いながら時が過ぎて行く
そんな自分に辟易するような歳はもう過ぎた
長く生きてりゃそんな話をする時間もあるものだ
そんな話をする必要のな
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