ラブ・ラプソディ(文学極道Version)/渡辺八畳@祝儀敷
 
まり続けている。
まったく静かなこの景色を粗い紙でさすっているかのようだ。


浜の砂をすくう。
とても小さな巻き貝が混じっている。
指紋の線ひとつひとつで表面の滑らかさを味わう。
私の意識はただ右手の親指と人差し指だけに注がれる。
僅かな光さえも目に入らなくなっていく。


砂のつぶが腕についたまま取れない。



ヽもヽ
 ヽどヽ
  ヽれヽ
   ヽもヽ
    ヽどヽ
     ヽれヽ
      ヽ列ヽ
       ヽ車ヽ
        ヽにヽ
         ヽ乗ヽ
          ヽっヽ
           ヽてヽ
 
[次のページ]
戻る   Point(1)