花園/中原馨
 
「清く真っ直ぐな花になりなさい」
 そう言ったのは 凛と佇む聖の花
 私たちの正解だった
 揺るぎない 絶対の正しさ

 いつか、彼女は造花だと知る
 信仰してきた正しさは虚構で
 どうも生花は早死らしい
 美しくあれない絶望に潰され
 風雨に砕かれ
 そうして朽ちていくらしい

 尊いと誰もが述べたそこは造花の園
 彩る日蔭に死んだ花弁を隠して一様に咲む
 

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