あの白い空に、帰るもの/秋葉竹
好きですという声が
しみこむのは、
だれも
かれも嫌いだと
苦さがあふれた、小さなこころだから?
友となのるものが
あすのためにきょうを
やさしげに接する、小雨に陽が射す、
狐の嫁入りという明かるい不思議な嘘っぽさ。
愉しげに笑っていた狐少女は、
笑いすぎて涙を流しながら、
『コンコン、こんからりん』と
白い空に帰って行く。
真剣な瞳で、鬼ごっこをしていた、
三者三様の
夏が終わるさ。
黄昏の公園のブランコに腰かけ、
薄い白さの真円の月が
咳こみながらおおげさないいわけを
たっぷりと降り注ぐのを見上げている。
まるでそのいいわけの正しさが
いつまでも、
永遠(とわ)永久(とこしえ)な輝きでも
あるかのような信仰を
この街に浴びせつづけてくれることだろう。
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