ロック・アンド・ハードプレイス/ホロウ・シカエルボク
一日中喋り続ける雨のせいで路面は市街戦のあとのように濡れている、歩いている連中の大半は敗残兵で疲労と絶望にどっぷりと浸かった瞳はいつでも、自分より少し劣る誰かを探している…陰気な自己愛という最悪なウィルスが老若男女問わず蔓延っていて、いつでも蚊の鳴くような声で誰かを貶めているつもりになっている、ハッ、お笑い草だ―深夜だというのに温度が上がり始めていて、身体には汗さえ滲み始めている、明日は梅雨の晴間だそうだ、だからといって特別な予定なんかない、僅かな仕事と、ほんの少しの用事を片付けるだけで終わる、出来ればシーツを洗いたいが…ぼんやりとそう思うだけでどうせ終わってしまうだろう―誰にでも出来ることを
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)