二人は三親等/吉岡孝次
 
空き地は誰のものでもないと思うのは間違い
だから持ち主に黙ってそこで遊ぶかわりに
持ち主に黙って
くっきりとした明るい枯れ草を見ていよう
片隅にはえている一本だけの雑木林に寒さを忘れよう
きみが受け取っている、この熱のないひかりは
きっと いつかきみが困ったとき きみを清めてくれるけど
さあ、行こうか ひょっとしたら僕が楽しんでいるだけかもしれないし
今は竹林公園が二人を待っている
ソムリエのように滑り台を冷やして


埼玉育ち
その、生きる極意

戻る   Point(1)