わかったように言ったところで/ホロウ・シカエルボク
自分がひとかどの人間であるという風に思われたい、ただそれだけのことなわけです、もちろんそんなことで誰かが「おう、あいつはもっともなことを言う、きっと怖ろしく頭のいいやつに違いないぞ」なんて思ってくれるわけもなく、そもそもそこら中でそういう程度の人間が似たようなことを似たような言葉でつぶやいてるわけですから取り立てて目立つわけもなく、ただただ時間の流れに埋没していくのみでございます、でもそれじゃあ連中納得しませんわな、そうなるとどうなるかと言いますとこれがまた簡単なことで延々と延々と同じことを繰り返すわけでございます、まるでそういう風にやっているといつか自分が勝つのではないかと信じているかのような有
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)