満月/
水宮うみ
波の音のような鼓動が、からだのなかから聴こえる。
何度もふたりで夜を越えてきた。
あの日、水面を踊るひかりの反射に助けられたことを、わたしは忘れない。
わたしたちには海がある。
だから何があっても大丈夫だって、あなたは月みたいに笑った。
戻る
編
削
Point
(2)