白いおんな/
朧月
大型ショッピングセンターの
トイレでは制服の女子高校生がお化粧をなおしている
口笛をふきながら
占領している鏡を
だれもなにも言わない
私はその前を足をひきずりながら歩いた
白い顔をして歩いた
女子高校生はちらと私をみたが
なにも言わずなにもかわらず
自分の顔にいそがしかった
私たちはともにいそがしいふりをして
私たちはともに決別をした
彼女の手もまた白かった
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