真夜中の始祖鳥/
フユナ
夜を
飛んでいく大きな鳥を
始祖鳥、
と呼んだのは君だったか
そしてそれを呼び慣らしたのは
僕だったか
手を振ったのは僕だったか
振り払おうと強くあげたのは
君だったか
笑ったのは君だったか
歯を剥いたのは
君だったろうか
僕だったろうか
夜を
飛んでいく大きな孤独を
始祖鳥、と呼んだのは僕だったろうか
君だったろうか
果たして
あの生き物がいたことだけ
ああ
それを二人で見たことも
こんなにも
確かなのに
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