泣かないで、マイダーリン(野獣さん!)。/秋葉竹
獣さんが、うさぎさんとかなら、
よかったんだから。
でも、それなら、食べられなかっただろうけど、
あたし、べつに、うさぎさんなんて、
好きでもなんでも、ないものね?
だから、やっぱ、野獣さんがうさぎさんじゃあ、
ダメだしね。
野獣さんが、野獣さんだから、いけないけれど、
いいんだからね。
ややこしいね?
なら、どっちにしたってあたしのこころは
食べられるのが、運命(さだめ)なんだよね?
あなたのこと、好きになっちゃうと、
そういうことになるよね。
こころって、ちゃんと思い通りにならないもんだね。
あ、違った。
もう、あたしこころは、ないんだった。
そんなこと、えんえんとあなたに聴かせてきた、
だから、かな?
あなた、あたしの眼をみて、泣いてるじゃない?
えー?
なんで、あなたが泣くの?
泣きたいの、こっち。
でも、ま、こころがないから、泣かないけどさ。
ねぇ?あなた、
あたしのだいじな野獣さん?
まだ、食べ足りないって、いうつもりかな?
それとも、あたしのこころは、美味しくなかった?
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