姫ぼたる/秋葉竹
 


わたしは、姫ぼたるが好き
わたしは、姫ではないけど

わたしは、わたしが好き



ほんのすぐそばの、
ちいさな池、かな?

まいとし5月もいまじぶん
姫ぼたるが飛び交う

すべて、夢のようだけど
べつにそんな夢のような詩でもない

光る無数の小さな星が
それぞれまちまちに
光ってはきえる

きえては光る間隔が
蛍ごとにちがうのかな?

とまどうわたしの
ほうへ飛んできたりもする
ため息もでない

息をとめて、じっとみてるんだ

こんや
姫ぼたるは、

みずもの

うえを群れて飛び交うんだ

わたしをみて
寄ってくるんだ

となりの女性が
きれいですねと
わたしの顔をみていったけど

この顔のことじゃないことくらい

わたしはちゃんとしっているぞ


いくら、
わたしがわたしじしんを、好き、
でも、ね?





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