Knock/
pochitto
ぐるりぐるりと転回する部屋で
私は少しずつ分解していく
痛みは窓にへばりつき
記憶は本の隙間に潜り込み
眼差しは水蒸気となり
哀しみはテーブルの上を滑ってゆく
残された私の 透き通った抜け殻が
無重力を漂うが如く 浮遊する
この喧騒が終わる頃
ようやく君はドアをノックするのだろう
海の底のように静まり返った
かつて<私>だったもので覆い尽くされた
この部屋のドアを
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