五月、夜明けへ/もっぷ
 
午前四時十五分かえるに混ざって
すずめの声を確かに聞いた
隣家のだれかは壁を蹴ったか
三分後には車の音も
、走り去った
誰を何を載せて
さよならよりも永遠な気がする
午前五時前の
理不尽な早起きの
とばっちりのような でも
どんな仕打ちも見えないままに
なぜか泣いてなぜか笑って
なぜか笑ってなぜか泣いて
掴めることってただ一つ
書いている、書く、
それこそがこんな時には
一番の良薬だってこと
気づけばすずめはほんとに鳴いてる
一羽でなくて仲間で
御揃いの銀のスプーンを持って
あの特別な日を迎えるように
右手中指 /親/指側のペンだこの
親 親 親から夜はこぼれて
午前四時三十六分
窓には ひかりがひかりがひかりが


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