みあげれば星、みおろせば街灯り。/秋葉竹
星の光が時を教えてくれる。
まだ1週間もたたないから
山頂から見た星をおぼえている。
夜風はまだ少し冷たくて、
あなたは小さな声を、
(寒い)
僕をみあげてそっと唇からこぼす。
星は
かけがえのない刹那の煌めきを
僕たちふたりのみつめあう時間に
ふりそそいでくれる。
蒼い繊月(せんげつ)は
割れちまった
蒼いガラスの花瓶の欠片の繊細さを
僕たちにおしえてくれる。
遠く地表に網の目の街灯りを眺めながら、
ふたりてのひらを、しっかりと握り締めあう。
せめて夜が明けるまでは
ここで、
星たちのおしゃべりを聴かせておくれよ。
いつの時代も、
ゆっくりと歩くことを忘れないで、
つらい目にあっても、新たに笑いなおし、
新鮮な1日は、そうすれば、手に入る。
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