ひとり、寂しく、生きていたのに。/秋葉竹
あなたを、待っていました。
とつぜんいなくなるものだから、
街中、狂ったように探しましたよ。
月並みな比喩だけど、
髪の毛振り乱して夜叉の形相で、
眼を真っ赤な涙に染めて、
迷子の幼子がお母さんを探せず泣き喚く必死さで、
逢いたくて逢いたくて逢いたくて、
逢えなければ、もう生きて行く意味がないほど、
あなたに依存してしまって、
たとえ一分一秒でも離れていられない
ひとりよがりでも、
魂の繋がりとか感じでしまって、
ははは。
比喩としては
平凡なだけでして、
あの、
切羽詰まった「逢いたさ」には、
自分の人生の目的さえ持たなかった私の、
愛しい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)