獣の季節/
ミナト 螢
夕立ちに足を止められて
靴下が透明になる前に
ペットボトルの中で雨を拾い
飲み干したら空は明るくなった
時が動き出す瞬間を見ると
駅前の宝くじの行列が
アフターファイブで埋め尽くされる
濡れたアスファルトが乾くまでに
太陽はその光で人々を
ひまわりと同じ黒い影にする
僕は胃袋が膨らんだから
いつもより大きな影になって
ゴジラやティラノザウルスみたいに
帰る家さえ壊すかも知れず
何度もトイレを往復している
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