あたたかい名前/
秋葉竹
我が名を、
呼べとうずくまり小雨に濡れて
黒猫を抱きしめて目をつむる
そこには、
孤独など感じられない
死にたいとも願えない
暗い絶望が、
コールタールになっている
動けない圧力に、
押し潰されそうで、
泣いた
まるで悲しいわけなどなく
ただ苦しいだけでとめどないなんて。
誰か、
やさしく我を見つめてくれないか。
そして、
あたたかい我が名を呼んで、
くれないか。
誰か。
戻る
編
削
Point
(1)