猫耳。/秋葉竹
夕方まではたらいた疲れをそのままに心くたびれ。
僕は水曜日には、限定されたみそっかすになる。
幽霊ではなく、枯れ尾花でもない。
たとえば足はあるが、雲の上では、ふわふわで。
シャワーを浴びたいのに、ユニットバスもない感じ?
なのに僕は、君を忘れてしまえるだろう。
僕は僕の荷物を持て余して、青春とも呼べやしない。
猫は三日月の目でなにをみるか、知りもしない。
そんなたそがれに寂しかったので、嘘をつくのか。
夕日に向かって歩き去る猫のうしろ姿が、幻だと。
憧れのやわらかな孤独に、理性をリセットされて、
暗くなるまで待って、顔を隠して乾杯する紫の夜。
天涯孤独を、知り尽くした「猫」め。
僕のあたたかい声を、すぐに聞きたいというのか。
その猫耳で。
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