夜を落ち続ける(終わりが明記されないまま)/ホロウ・シカエルボク
砂地に沈み込んでいく靴底が見る夢はいつだって暗い地底の景色、目のない生きものたちが泳ぐ鏡のような水の世界だろう、底なしに飲み込まれるような怖れ、亡霊が足首を筋張った手で掴む、振りほどこうとするたびにそこには非情な力がかかる、俺は悲鳴を上げて闇雲に蹴り飛ばすが相手はびくともせず、ただいたずらに疲弊していくだけのことだった、ああ―落下の感覚、それはどこにも激突しない代わりに、永遠に続くような気がする、寝床には際限のない落とし穴が開いている、ぽっかりと…眠るために流れている音楽はいつしかレクイエムのような顔をしている、やめろ、そんなものは望んでいない、俺はボリュームを上げる、そこに流れているもの
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