Not the Soul / 魂は違う/若原光彦
人は何を憶え、何を忘れるべきなのだろう。
小学生だったある日。英語の授業のとき。先生が「時間が余りましたね。じゃこの話でもしましょうか。これはノートにとらないでくださいね?」と言って、黒板にこう書いた。
but not the soul
そして「なんて訳しますか?」と同級生をさした。同級生は「しかし魂ではない」と答えた。
「いいですねーそうですねえ」と先生はうなずき、「でもね」と黒板に向かった。そして前にみこと書き足した。
Chills the body but not the soul
「Chillsは、さむけが走ること。ヒヤッと
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