泣いてもいいのに/秋葉竹
 

突風で
崩れる身体を抱きしめて
貴女は信じる 泣いてもいいのに




かぜはふく。
ふときがつくと、あなたはいない。

永久凍土にあこがれている、
じぶんをまるですて猫みたいと

自嘲しわたしとうなずきあった
にどめのりこんをきれいにおわらせ

ちいさくほほえみ
こえを、なくした。

あなたがいない
せかいは、いやだ。

ゆたかなこころの日はとおい、
らくえんから来た孔雀のよう。

おおきな羽をはばたかせ、
どこかの世界へ舞い降りる。

あなたはどこへ
消えたというの?



たったひとりでしぬまでいきる
かたるあ
[次のページ]
戻る   Point(2)