泣いてもいいのに/秋葉竹
突風で
崩れる身体を抱きしめて
貴女は信じる 泣いてもいいのに
かぜはふく。
ふときがつくと、あなたはいない。
永久凍土にあこがれている、
じぶんをまるですて猫みたいと
自嘲しわたしとうなずきあった
にどめのりこんをきれいにおわらせ
ちいさくほほえみ
こえを、なくした。
あなたがいない
せかいは、いやだ。
ゆたかなこころの日はとおい、
らくえんから来た孔雀のよう。
おおきな羽をはばたかせ、
どこかの世界へ舞い降りる。
あなたはどこへ
消えたというの?
たったひとりでしぬまでいきる
かたるあ
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