プロポーズ/秋葉竹
 


落ち込んでるときに、
自分も嫌いになって、
何もかもが嫌になって、
胸のあたりも苦しくなって、
何をどうしても起き上がれなかった。

そんなとき普段はしないんだけど、
あまりにもひとりでいるのがきつくなりすぎて、
とにかくひとりでいる世界から逃れたくて、
車の中から帰るコールをしたんだ。
すごく、久しぶりに。


屈託のない明るい声で、

今日の晩御飯?
ハマチのお刺身とお味噌汁、

とか告げられた日には、
なんだかほっとして、
本当のところ、なんてないことのないセリフだけど、
なんだかもう、ぼーっとしてしまったよ。

こんなに、あたたかい声してたんだ。

あー、だから、
僕はこの想い人と一緒に住んでんだなぁ、と、
心の底からきづく瞬間だったよ。





「結婚、しようか?」








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