希望と過ごした日々のこと/TAP
それはどんより曇ったある日のことでした
庭の方から大きな物音がしましたので
訝しんで見に行きますと
希望が倒れておりました
身にまとった服は汚れており ところどころ破けておりまして
顔は痣だらけで 背中から生えた白い翼は見るも無残に 血が滲んでおりました
家の中に運び込んで 布団に寝かせ
どうしたのかと希望に訳を訊きますと
ある時は 散々期待させやがって と殴られ
ある時は 信じて努力したのに骨折り損だった と蹴られ
ある時は お前のせいで人生が狂ってしまった と羽をむしり取られ
ほうほうの体で逃げている途中 家の庭に落ちたとのことでした
心身ともに大変弱っている
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