届かない手紙/文字綴り屋 ひじり
届かない手紙だとわかっているけれど
あなたへ書こうと思う
どんなに悲しくても
どんなに寂しくても
受け入れるべき時がくる
呆然とし拒否して
怒りで身悶えしても
私の時間は停まらないのだから
諦めて片付ける準備をする
見渡せば全てが
乱雑に散らばっている
一つ一つを手にとっては
箱に収めようとするけれど
その度にじっと見入ってしまう
でもそれでいいんだよね
あの時私にとって
キラキラとした瞬間だったんだもの
そうやって時間をかけながら
ゆっくりと片付けて行く
積もった埃とともに
トゲトゲしく角ばった気持ちを
振り払い
一番大事だった純粋な気持ちだけを
取
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