とある男の独白詩/TAP
久しく恋をしてないな
誰も愛せなくなったのか
空の器は底に亀裂が走っている
いくら水を注いでも満たされることはない
プレゼントされた銀色のシガレットケース。気恥ずかしくって、一度も使わなかった。男はね、みんな見栄っ張りなんだよ。囃し立てられるのが嫌なのさ。けれど君の前では使ってあげれば良かったな。僕はずいぶん無神経な奴だ。
久しくお喋りしてないな
友達がいなくなったのか
耳鳴りがきんきん唸っている
手で耳を覆っても鳴りやむことはない
打算的な人付き合いばかりしてきた。あの人達の輪に入っておけば、安泰だとか。話題についていくために渋面をつくって流行りのお笑い番組を見てい
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