静寂がまた暗い口を開ける/ホロウ・シカエルボク
 
どうかは男には判断出来なかった、信じがたい光景だったのだ、一番始めに切り落とされたそれぞれの利き腕が、残りの部位を捌き、首をねじ切り、それぞれの部位を飾り付けていた、すべてが終わるとまた最初から始まった、ウェブ動画のループ再生のように…次第に男は笑顔になっていき、やがて声を上げて笑い始めた、始めは含み笑い、それから大笑い、そして次第に声は高くなっていき、しまいにはなにか巨大な鳥を連想させるようなけたたましい声になった、それは街の中心部まで届いたという…夜明けを待たずに駆け付けた警官隊が森の奥で見つけたのは、例の木にもたれ、白髪に変わり、見開いた目からは涙を、だらしなく開いた口からは涎を、性器からは
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