月光。/秋葉竹
 



蛇が川の上を駆け、
葦の草むらへと向かっている。
冷たい小雨をはじき、
さまよう古代の戦士の亡霊たちとともに。

詩人には見えない明るい涙の笑顔が
誰の読み物をも読めなかった月日を
物語に変えるだろう。

小指に真紅(しんく)の
蛇の紋章刻まれた指輪をはめて
そのユニークな赤色の石を眺める。
どれほど疲れても
疲れなどしらないと言い張る僕の心臓と
ほんとうに疲れなどしらない
無邪気なからっ風が吹くこの心。

光り輝く希望のような静寂の世界からわかれ、
一匹の悲しみが、太陽に向かってユラユラと
這い登るように憧れの空の階段を行こうとするのを、
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