なぜ悲しみばかり流れるのだろう?/秋葉竹
 


なぜ悲しみばかり
流れるのだろう?

遠い夜の街を歩く人の
みやびで正しい歩調があり、

この国のよどんだ人の心に
ひとつの透きとおったメロディーを流す
ありきたりな流行歌がある。

新しい生活のリズムに合わせて、
奏でる完璧な夢の残骸に

戸惑い牙を剥く、
月並みの怒りの言葉が、
拒絶を指し示す季節風に映るから、
ただ眼をつむってしまう。
思わずその空気を無視してしまう清々しさに、
かたくなに眼をつむってしまう。
夜の闇の、深さを知れ。

その綺麗な蒼色を、
やさしさで見ようとする鳥籠の住人は、

翼をもぎ取られた過去の傷を癒やせず、
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