W君へ/或いは美しいものの為に/高田夙児
 


 僕は、(――と書いておこうか、とり合えず、)
 今日近江八幡へ行きました。そこは盾みたいな山が
 そびえてて、「お、盾さんだ」とか意味不明な事を
 考えたりしながら、ドライブしていました。
 
 昨日、乙一の「くらいところで待ち合わせ」を貸し
 てくれた人に会って、(面白くなかったこと)を遠
 まわしに説明しようとしていましたが、途中からう
 まく話せなくて、でもここでやめたらいつもみたい
 にすべて中途半端、と思い、
「えーっと、だから、ストーリー云々ではなくて、こ
 の作家の言葉や文章に対する無神経なところが好き
 になれないんですよー」
 と、全然まったく
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