『春と修羅』を読んで/たこ
 

肩から下げた 甲冑を
カチャカチャカチャと いわせつつ
黒々と伸びる細枝の
先に覗く若葉の端を
ふわりふわりと 飛び越えている

ーああ、あれくらい
軽やかだったら
良いのにな

この世に落ちた この修羅は
青い光の月陰を うらめしそうに
見上げるばかり。

ー薄あかりに照らされて、
にゃおうと鳴いて みようかしら。

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