祈り、ただ、このちいさなもの達の為に。/秋葉竹
知ってたつもりだったけど、
ほんとうは、知らなかったんだ。
みんな、ほんとうに、蛇が嫌い、なんだ?
蛇が消えた。
戻って来てくれと願う。
もう、無理かもしれない、
と、諦めかけて
だから、私は、もう祈るしかない。
白蛇は赤い眼で、 黒蛇を観察し、
黒蛇は鎌首を伸ばして、とぐろを解く。
部屋に残された空気に笑い声の欠片があり、
流れつづける川に夢のカクテルのあぶくがある。
すり抜けた青ガラスのコップが廊下に落ちたとき
落とされたガラスコップの傷が緩やかに割れて
染み渡っていく、
コップの水を
白と黒
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