祈り、ただ、このちいさなもの達の為に。/秋葉竹
 

知ってたつもりだったけど、
ほんとうは、知らなかったんだ。

みんな、ほんとうに、蛇が嫌い、なんだ?




蛇が消えた。

戻って来てくれと願う。

もう、無理かもしれない、

と、諦めかけて
だから、私は、もう祈るしかない。



白蛇は赤い眼で、 黒蛇を観察し、
黒蛇は鎌首を伸ばして、とぐろを解く。


部屋に残された空気に笑い声の欠片があり、
流れつづける川に夢のカクテルのあぶくがある。

すり抜けた青ガラスのコップが廊下に落ちたとき
落とされたガラスコップの傷が緩やかに割れて


染み渡っていく、
コップの水を
白と黒
[次のページ]
戻る   Point(2)