死を超えたものだけが本当に語ることが出来るだろう/ホロウ・シカエルボク
 

逆回転のプレッシャーに耐え切れず、回転軸は歪み、それから、二度と、回ることは出来なくなった。軸中央に記されたシリアル・ナンバーは、モルグで割り振られるそれと同じ意味合いになり、つまるところ、埋葬されない死体だけがそこには残されたというわけだ。四月だというのに怖ろしいくらい寒くて、それはある意味で鎮魂には適切だった。熱過ぎる珈琲が食道の内壁を焼夷弾のように焼き尽くしていく午前、アナログ時計の進行は過去と未来を自由と束縛のふたつに仕分けることを前頭葉に強制し続けていた。ブリキの機械が激しいアタックでロック・ビートを叩き出している。山に近い空は雪の予兆を映して、そこいらの連中を困惑させている。循環す
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