気球のような不思議/秋葉竹
 


遠い空に漂う
気球のような不思議に問う。


雲の上に立つと
世界が広がってみえますか?

みえないものは、
憎しみの黒い鎖くらいのものですか?

平和がそこには
転がっていて、
どこか悲しげな無謬の雷(いかづち)は
誰を撃つでもなく
ひとつの偽りになる。

あがく昨日の成果もなく
けれど、
絶望がそこには転がっていて、
眼に見えない終わりが優しさぶるから、
そこで大きな苛立つ声が
獲物の
真実の姿をあらわにしてみせるだろう。

どこへも行けず、
「あどけない、あの朝のあたたかな、あなた。」
どこへも連れても行けず、


遠い空
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