一番/坂本瞳子
どうしたって一番にはなれない
だからといって腐ってはいられない
どんな手を使っても一番になってみせる
この情熱の炎は常に燃え続ける
諦めの悪さをけなされようと
罵りの言葉を浴びせられようと
痛くも痒くもなんともないのは
一番になりたいという意志が
決して迷うことはないから
誰かを蹴落とそうなどと思うのではない
自らが最高の栄誉に到達する
それだけのことだ
たったそれだけのことだけれど
一番でなければ意味がない
二番ではいられない
いつまでも二番に甘んじてはいられない
今はまだ一番にはなれないけれど
この状態は永遠ではない
一番になってみせる
どんな汚い手を使っても
絶対に一番になってみせるんだ
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