微笑みが覆い隠していられるのは/金槌海豚
 
軽蔑の笑いとひそひそ話とが四方を取り囲んでいる
 白目を剥き出しにした形相が唾を飛ばしながら迫ってくる
  一切は耳を塞がれ受け容れられずに拒絶される
   正面背後上下左右に立ち塞がり穴が開くほど見つめる人がいる

   微笑みが恐れを覆い隠していられるのは いったいいつまで
  明日には粗末な袋に荷物をまとめて、逃げ出さなくてはいけないのかな?
 いずれ恐れが微笑みを切り裂いて 嵐の如く荒れ狂うだろう
そのとき必要なものは幸せな日々の思い出、それとも明日を生き抜く歌?


次の十字路までは前へ前へと進む行列の途上にいる
 道の途中を塞ぐブルドーザーが黙々と仕事をこなして
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