海/
Giovanni
終着駅のホームの外れ
赤錆びた列車止めの向こうに
騒ぐ荒ぶる海が聞こえる
そして 呼んでいる
(ここには何もない)
行く人は海
来る人は海
大人は波頭で
子供は飛沫
終わることなく
揺り上げられる
蒼く紅う街角に
白い小舟を浮かべよう
(東京の真ん中に海はないのに)
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