あの頃と同じように赤い/ホロウ・シカエルボク
 
んだ
明日と去年の違いが判らない、
そんな人生を
おれはこれからも生きようとしているんだ
そこにあるのは決して自分だけの世界ではないというのに
つけっぱなしのテレビで流れているのは盛大な宇宙戦争の映画さ
でもそんなものにはまるで興味を持っていない
いつからかそれはひとりごとのように画面だけを垂れ流している
その戦場ではだれも死んでいないことを
その映画を真剣に観ている連中よりはすこしだけよく知っている
おれの書いているものだってそれによく似ているからだ
おれの主人公は
レーザーガンをぶっ放したりはしないけれど
テレビを消して
めちゃくちゃな音楽を流す
ずっと悲鳴が響き
[次のページ]
戻る   Point(3)