あの頃と同じように赤い/ホロウ・シカエルボク
んだ
明日と去年の違いが判らない、
そんな人生を
おれはこれからも生きようとしているんだ
そこにあるのは決して自分だけの世界ではないというのに
つけっぱなしのテレビで流れているのは盛大な宇宙戦争の映画さ
でもそんなものにはまるで興味を持っていない
いつからかそれはひとりごとのように画面だけを垂れ流している
その戦場ではだれも死んでいないことを
その映画を真剣に観ている連中よりはすこしだけよく知っている
おれの書いているものだってそれによく似ているからだ
おれの主人公は
レーザーガンをぶっ放したりはしないけれど
テレビを消して
めちゃくちゃな音楽を流す
ずっと悲鳴が響き
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