夜が明け、朝は来るから。(僕の、桶狭間)/秋葉竹
 
の歌は、
寂しさを連れてオレンジ色に染まり、
僕に見えないしあわせの隠れ家を、
星空の子どもたちに、そっと歌って聴かせている。

ようやく生き始めた嬉びがさやさやと
そんなビルのお墓をやさしく撫でにくる朝。

スクラムを組んだミラクルが、
暖かい日差しを名乗って、
宵越しの金を捨てちまうきっぷの良さで、
サッ、と。
サッ、サッ、と。
街を欲望のうごめく地点へズラしてしまい、
愛のない毎朝のキスは冷たく寂しくても、
日々の暮らしの中では、
なにひとつ問題ではなく、
ただ気にしてもらいたい朝食の目玉焼きは、
硬く、ちょっと茶色い焦げ目がついた
ベーコンつきのヤツでないとイヤなんだ。
その小さいこだわりひとつかかげて
僕の革命戦線にぶち上げる『嫌ッ!』って
自己アピールの旗印とする愚かしさが、
いいね。
それは胸に手を当てて、
もはや、考える時間さえないほど
『嫌ッ!』って言い切る、僕の桶狭間なんだ。






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