残り 残る/木立 悟
 





光の筆で 見えない絵を
見えないまま描きつづけている
明るい雨
明るい雨


行き止まりの家の灯り
斜めの風から聞こえる光
蒼の上の蒼の数
蒼に蒼に染み込む蒼


まばらな森
まばらな林
まばらな生
はざまとかたちの連なりたち


時間の蛇が
冬の蛇に添い
降る光を 鉱と火を
見つめている


よろこびは川に喰われたのか
何処かへ行ってしまっていた
だが探索者の書をひらくたび
元の場所に現われるのだった


見えるものはもはや積もらず
何も無い地に身体は沈む
白く鈍く 痛みは砕け
見えない絵の群れに降りそそぐ
















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