馬の思い出/腰国改修
 
昔、昔、昔、私は一人の馬だった
昔、昔、私は一頭の人間で
遙か未来は七色の稲光
先ほどまでは一瞬の虹
今はゆっくり紅茶を飲みながら
あなたの形をしたばかりの
静寂で曖昧な一筋の煙り
山の端に春が裳裾を濡らして
ポツリポツリと朧雨が降る
昔、昔、私は一人の人間で
昔、昔、又昔、私は一頭の馬だった
戻る   Point(3)