ウサギ狩り/山人
朝、息は白く冷たい
夜雪が降り、ウサギの足跡はついた筈だ
心の中の鉛は骨に入り込んでいる
だが、浮き足立つ朝の輝きは止めることができない
ウサギ狩りだ
猟場に着いた
車の中から銃を下ろす
頼むぞ銃よ
アンバランスな姿勢でカンジキを付け雪に踏み入る
キラキラと雪がダストのように舞う
まぶしい光線に心が躍る
今日はウサギ狩りだ
はらわたを出すための皮剥ぎのナイフは持ったし
ウサギを入れるビニール袋も二枚持った
自分で握った無骨な握り飯も三つ用意してきた
あとは獲物があれば良いだけだ
厭なことはとりあえず何処かに置いていこう
冬枯れの木々には綿のような雪が付いている
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)