切り取られた最後の世界/秋葉竹
ひるま雨にふられたふくろうの視線の中
森に刺す月光は乾いた笑い声をこらえた
さやさやと流れる雪どけの小川冷たく
小枝ゆらす風の軽い諦めが
病んだ湖を照らす真白な光と交わるところで
細かすぎる夜の感傷がさざ波となる
荒削りな昼の光の表情では
永遠の優しさと間違いかねない
のでは、ないか?
死が美しいものでもある戸惑いが
小さな一輪の花の誇りを揺るがし
死が寂しいものでもある誤解が
崩れおちる森の静かな笑顔を曇らせる
なにものよりも腐敗していく木々のしがらみと
湖に咲く汚れきった造花の不協和音が
前のめりに十分な理解を得るもはや終わる世界
そんななか
遠くの町役場に一筋の白い煙が上がる
人間を終えたふくろうの
弔いの鐘の音が金色に響きわたる時間の中で
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