暴力/葉leaf
 

試されているのはいったいどの暁だろうか。抉りとられたままの世界の軋む音が聴こえる。根拠なく発生し続ける存在は、ただ相対的に存在するだけで暴力として発芽する。見失う片目の行く先には過去の清冽な流れが伴い、希望を口にすることだけが宗教的に許されている。人は熱帯雨林を生き抜くために、社会という暴力の坩堝のかたわれとして常に意志を巻き込んでいく。斧を振り下ろすとき、どの一振りに最も苦味を込めるか、どの一振りに最も空間を焼き込むか、振り下ろす者は何も考えていない。人生と人生とがつながっている節目ごとに切り立つ感情の砂があり、誰のものでもない憎しみが刻まれている。この世の果てに何もない原っぱがあるという、
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