ぜったいにしあわせになる方法を知っているという大きな嘘をきみは大きく落書きをして/秋葉竹
 


雪が舞った昨夜この花を
白色の化粧で整え、思い出にして
忘れないだろう、煙草で痺れた舌で
はしたないけれど、この花を、
舐めてごらん、知ることもなく
感じてしまうだろう、
ホンモノの雪はあまいんだって。

きみがとなりの街に居てくれて、よかったよ。
壁の向こう側の
知らない街の本屋で
立ち読みした本のように
きみの人生がしあわせであれば、それは、

それは一粒一粒が小さな嘘だが、
粉雪が感じる最期の一粒だけは、
ぜったいしあわせになる方法を
知っている、そんな大きな嘘まで
この壁の外側には、なぜか達筆で
大きな嘘が、大きな文字で
落書きされて、消されることはない。

けれど、
明日はまた雨になるだろう。










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