インフィオラータ/岡村明子
 
で眺めていたのは
今日がはじめてではない
長らく行く当てもなくさまよっていた男だ

舶来の祭りをするからと
住み慣れた公園の青テントを追われた男だ

灰色の
濁流の上を
花吹雪

散り敷く

男の復讐
達成される/されない
青い空の下で
男はそれがあることを知らない
復讐を描く地面
男は狂喜するが誰も見ていない

無数の花の死骸が描く
カルメンシータ
生ける骸は
生暖かい風の中に朽ちていく
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