夜と言葉/木立 悟
 



短ければ短いほど鮮やかに
文字の羽は窓を覆う
ちぎれては消え再び生まれる
震えのかたち 震えのすがた


苦さ 苦さ
はばたきをなぞり
息の内に溶ける
小さな輪


暗がりとわずかな光の揺らぎを
熱がまわる 音がまわる
戻ることも飛び去ることもせず
文字は波の上をまわりつづける






















戻る   Point(2)