夜と言葉/
木立 悟
短ければ短いほど鮮やかに
文字の羽は窓を覆う
ちぎれては消え再び生まれる
震えのかたち 震えのすがた
苦さ 苦さ
はばたきをなぞり
息の内に溶ける
小さな輪
暗がりとわずかな光の揺らぎを
熱がまわる 音がまわる
戻ることも飛び去ることもせず
文字は波の上をまわりつづける
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