労働の闇/葉leaf
契約を結んでいく人々の群れに
時計の針は刻々と告げる
その日一日歩いていく泥濘の深さを
法は空を舞う繊細な鳥のよう
大地に降り立つことなく空想を奏でている
この日本という原始的な帝国で
呻いている数々の傭兵たちの声を聴け
俺たちは人権の子どもたち
親である人権は社会に殺されっぱなし
親殺しの復讐をするために法廷で社会に斬り付ける
社会の血しぶきはどこまでも深い黒色
俺たちは学問の兄弟
兄弟である学問は社会により幽閉されたまま
学問を解放するために社会に教養を刷り込む
社会の懊悩はどこまでも深い森のよう
俺たちは新しい世界の産みの親
子である世界は社会から虐待を受けている
新しい世界を救い出し社会を糾問する
苔むした社会はそのまま朽ちていけ
この日本という原始的な帝国が
せめて近代的な共和国へと進化するのを
そして傭兵たちが市民兵へと地位改善されるのを
日本国民が待ち受けている
黎明の朝が来た
戻る 編 削 Point(4)