色彩論/成澤 和樹
 
晴れすぎた日の、透明な向日葵の光線
視界を焼くカーテンを抜けていくようだ
熱に揺らぐ交差点
人々はもう、記号にしか見えない
人々はもう、色にしか見えない
何を言ってももう、正しくはない

一次元(シンプル)に創られた
簡素なまでに、立ち並ぶ
考えるまでもなく、色がある
言うまでもなく、あるがまま
それが正しい、色彩論

白い鳥にコンクリートの影がよく映える
羽はまだ、白く見えるだろうか
勝手に影を差し引いた
羽はまだ、あの羽は、白いと言える
そんな眼は、正しいのだろうか

ホントウのことが見える眼は
この世界では通じない
デジタルな世界では
あの人々は、記号は、白色
あの鳥は、羽は、灰色
それが正しい、色彩論

人々はもう、記号にしか見えない
人々はもう、色にしか見えない
何を言ってももう、正しくはない
それが正しい、色彩論

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